複式簿記の家計簿とは? — 単式との違いとメリット

多くの家計簿は「何にいくら使ったか」を記録する単式簿記です。一方で複式簿記は、ひとつの取引を「お金がどこから来て、どこへ行ったか」の両面で記録します。この違いが、家計管理にどんな価値をもたらすのかを解説します。

借方と貸方を左右に並べたkurofukuboの仕訳入力フォーム
複式簿記の仕訳入力画面。借方(左)と貸方(右)で1つの取引を記録します(アプリ実画面)

単式簿記と複式簿記の違い

たとえば「10万円の貯金を取り崩して家電を買った」とき、単式簿記では「家電 10万円の支出」と記録するだけです。しかし実際には、預金が10万円減り、その分のお金がモノに変わっています。複式簿記なら、この「資産の中身が入れ替わった」動きまで記録できます。

単式簿記複式簿記
記録するもの収入と支出資産・負債・純資産・収入・支出
わかることいくら使ったかいくら使ったか+資産がどう動いたか
作れる表収支の一覧貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書

家計に複式簿記を使う3つのメリット

1. 「使った額」ではなく「資産の増減」で家計を見られる

支出が多い月でも、貯蓄型保険や投資にお金が回っていれば、純資産は増えているかもしれません。複式簿記なら、支出の多寡だけに一喜一憂せず、純資産の変化という本質で家計を評価できます。

2. クレジットカードや借入も正しく扱える

カード払いは「支出」と「負債(後で払う義務)の発生」が同時に起きます。複式簿記はこれを分けて記録するため、引き落とし前でも「今いくら負債があるか」が常に見えます。

3. 記録のミスに気づきやすい

複式簿記は借方と貸方の合計が必ず一致します。一致しなければどこかが間違っているサインなので、入力ミスを早く発見できます。

複式簿記は本来とっつきにくいものですが、kurofukubo はクイック入力プリセット自動分類ルールで仕訳づくりを自動化します。簿記の知識がなくても、入力に慣れていくうちに自然と複式の考え方が身につきます。

よくある取引の仕訳例

実際の家計でよくある取引を複式簿記で書くと、次のようになります。形に少し慣れると、家計のあらゆる動きが同じルールで記録できることが分かります。

取引借方(左)貸方(右)
給料25万円が振り込まれた普通預金 250,000給与収入 250,000
食費1,200円を現金で払った食費 1,200現金 1,200
日用品5,000円をカードで買った日用品 5,000カード未払金 5,000
カード利用額3万円が引き落とされたカード未払金 30,000普通預金 30,000
ATMで2万円引き出した現金 20,000普通預金 20,000
NISAに3万円積み立てた証券口座 30,000普通預金 30,000

どの仕訳も「お金がどこから来て(貸方)、どこへ行ったか(借方)」を書いているだけです。カード払いと引き落としの2つの仕訳を見比べると、「支出の発生」と「負債の精算」が別々に記録されているのが分かります。

つまずきやすいポイント

「借方・貸方」という名前に意味はない

「借りる」「貸す」という漢字から意味を推測すると混乱します。単に「左側」「右側」という置き場所の名前と割り切るのが理解の近道です。

英語でも debit(左)・credit(右)と呼ばれるだけの、慣習的な名前です。

増えるか減るかは科目の種類で決まる

資産と費用は借方(左)に置くと増え、負債・純資産・収益は貸方(右)に置くと増えます。最初は表を見ながらで大丈夫ですし、アプリを使う場合はそもそも意識する必要がありません。

口座間の移動(振替)は支出ではない

ATMの引き出しや証券口座への入金は、お金の置き場所が変わっただけで、家計が貧しくなったわけではありません。単式の家計簿ではここが「支出」に見えて集計が狂いがちですが、複式簿記なら資産内の移動として自然に区別されます。

仕訳の形は、覚えようとしなくても大丈夫です。上の仕訳例の表をチートシートのように手元に置いて写すだけで十分ですし、数週間も記帳すれば、よく使うパターンは自然に手に馴染みます。

複式簿記の家計簿の始め方(3ステップ)

複式簿記と聞くと身構えてしまいますが、家計簿アプリを使えば次の3ステップで始められます。

  1. 口座(科目)を用意する:現金・銀行口座・クレジットカードなど、お金が出入りする場所を登録します。
  2. 取引を一行で記帳する:「食費 1200 現金」のように入力すると、借方・貸方の複式仕訳に自動変換されます。
  3. 純資産とBS・PLで振り返る:資産−負債=純資産が自動で計算され、貸借対照表・損益計算書で家計の全体像を確認できます。

よくある質問

複式簿記の家計簿とは何ですか?

1つの取引を「借方」と「貸方」の両面で記録する方法です。支出だけでなく資産・負債の動きまで記録するため、純資産(資産−負債)が自動で分かります。

単式簿記と何が違いますか?

単式は「いくら使ったか」だけを記録します。複式は「お金がどこからどこへ動いたか」を記録するので、貯金・投資・借金の増減まで把握できます。

簿記の知識がなくても使えますか?

はい。kurofukuboは「食費 1200 現金」のような一行入力やかんたんモードで、裏側で複式仕訳に自動変換します。借方・貸方を意識しなくても記帳できます。

振替(口座間のお金の移動)は支出になりますか?

なりません。資産の置き場所が変わっただけで、純資産は変化しません。複式簿記では借方・貸方の両方が資産科目の仕訳として記録されるため、支出とは自動的に区別されます。

記帳した仕訳が日付順に並ぶ仕訳帳画面
記帳した取引は仕訳帳に日付順で残ります(アプリ実画面)

複式簿記の家計管理を、無料で試してみませんか?

無料で始める

関連記事:はじめての使い方ガイド家計のBS・PLの読み方ガイド一覧へ