純資産の平均・中央値 — 年代別と、自分が上位何%かの早見表

結論から書きます。二人以上世帯の金融資産保有額は平均1,940万円・中央値720万円(金融経済教育推進機構〈J-FLEC〉2025年調査)。ただしこの「中央値」は、集計のしかたを変えるだけで720万円から1,189万円まで動きます。この記事では、実際の数値・年代別の表・公表された分布から計算した「自分は上位何%か」の早見表を、すべて出典つきで示します。

純資産の金額を大きく表示したダッシュボードの純資産表示
平均・中央値と比べる前に、まず自分の純資産を正確に出すことが先決です(アプリ実画面)

まず、実際の数字

もっとも引用される「家計の金融行動に関する世論調査」の2025年調査(二人以上世帯・5,000世帯)では、金融資産保有額は次のとおりでした。

集計のしかた対象世帯数平均値中央値
金融資産を保有していない世帯を含む5,0001,940万円720万円
金融資産を保有している世帯のみ4,2162,309万円1,050万円

平均が中央値の2倍以上ある点にまず注目してください。資産は一部の世帯が極端に多く持つため、平均はその人たちに引き上げられます。実際、同調査の公表分布では金融資産1億円以上の世帯が155世帯(全5,000世帯の3.1%)ある一方、金融資産ゼロの世帯が784世帯(15.7%)あります。“普通の人”の実感に近いのは中央値のほうです。

中央値が720万円にも1,189万円にもなる理由

「二人以上世帯の中央値」という同じ言葉でも、調査と集計方法を変えるだけで数字はここまで動きます。

出典・集計のしかた何を測ったか中央値
J-FLEC 2025年調査(非保有世帯を含む)金融資産720万円
J-FLEC 2025年調査(保有世帯のみ)金融資産1,050万円
総務省 家計調査2024年(貯蓄0の世帯を含む・参考値)貯蓄現在高1,099万円
総務省 家計調査2024年(貯蓄保有世帯)貯蓄現在高1,189万円

同じ「二人以上世帯の中央値」で469万円の開きがあります。ネット上で見かける数字が食い違うのは、多くの場合どちらかが間違っているのではなく、この4つのどれを引用しているかが違うだけです。数字を見たら、まず「非保有世帯を含むか」「金融資産か貯蓄か」を確認してください。

「金融資産」と「純資産」は別物です

ここまでの数字はすべて資産の側だけを見たもので、純資産(資産−負債)ではありません。総務省「家計調査(貯蓄・負債編)」2024年の二人以上の世帯では、

差し引くと、純資産はおよそ1,321万円。貯蓄だけを見た1,984万円とは660万円以上ちがいます。さらに同調査は、世帯主が50歳未満の各年齢階級では、負債現在高が貯蓄現在高を上回ると報告しています。つまり住宅ローンを組んだ直後の世帯では、純資産がマイナスになるのはむしろ普通です。「貯蓄の平均に届かない」と落ち込む前に、自分が測っているのが資産なのか純資産なのかを確かめる価値があります。

→ 純資産そのものの数え方は 家計の「純資産」とは? にまとめています。

年代別の平均・中央値

J-FLEC 2025年調査から、世帯主の年代別に整理しました(金融資産、二人以上世帯)。

世帯主の年代回答数金融資産
非保有率
平均
(非保有含む)
中央値
(非保有含む)
中央値
(保有世帯のみ)
20歳代17121.6%525万円125万円260万円
30歳代64817.6%1,096万円311万円500万円
40歳代1,05218.8%1,486万円500万円828万円
50歳代1,02418.2%1,908万円700万円1,050万円
60歳代1,02212.8%2,683万円1,400万円1,775万円
70歳代1,08310.9%2,416万円1,178万円1,495万円
全体5,00015.7%1,940万円720万円1,050万円

読み取れることが3つあります。ひとつは、ピークは60歳代で、70歳代では平均・中央値とも下がること(取り崩しが始まるため)。ふたつめは、どの年代でも「非保有」が1割から2割いること。20歳代では5世帯に1世帯を超えます。みっつめは、年代が上がるほど平均と中央値の差が開くこと——60歳代では平均2,683万円に対して中央値は1,400万円で、その差は1,283万円です。同じ年代の中でも格差が大きいということです。

自分は上位何%か(早見表)

J-FLEC が公表している金融資産保有額の分布表(2025年・二人以上世帯)から、当サイトで累積割合を計算しました。金額無回答の100世帯を除いた4,900世帯が母数です。

金融資産保有額下から数えた累積上位
0円16.0%上位84.0%
100万円未満23.7%上位76.3%
300万円未満34.5%上位65.5%
500万円未満41.4%上位58.6%
700万円未満48.4%上位51.6%
1,000万円未満55.2%上位44.8%
1,400万円未満63.5%上位36.5%
2,000万円未満71.3%上位28.7%
3,000万円未満80.8%上位19.2%
5,000万円未満90.0%上位10.0%
1億円以上上位3.2%

たとえば金融資産1,000万円なら、二人以上世帯のなかでおおよそ上位45%。「1,000万円」という区切りは大きく感じますが、順位でいえば真ん中よりやや上、という位置づけです。5,000万円でようやく上位10%に入ります。

→ 順位より「自分にいくら必要か」を知りたい方は 純資産はいくらあれば安心? へ。

この数字を鵜呑みにしないための注意

本記事で使った2つの調査は、性質がかなり違います。数字を並べて比べるときは、この違いを踏まえてください。

それでも、比較より大切なこと

ここまで数字を並べておいて言うのもなんですが、他人との比較は不安か見栄を生むだけで終わりがちです。本当に意味があるのは、過去の自分と比べて純資産が増えているかです。同じ年代の中央値に届いていなくても、毎月コツコツ純資産が伸びていれば、家計は確実に前へ進んでいます。逆に平均を上回っていても、純資産が減り続けていれば要注意です。

そして上の表を使うには、まず自分の数字を正確に出す必要があります。預金だけでなく、証券口座の評価額、カードの未払い分、住宅ローンの残債まで含めないと、ここで挙げた統計とは比較できません。

→ 証券・iDeCo・ローンまで含めた出し方は 本当の純資産の出し方 で解説しています。

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出典

「上位何%か」の早見表は、J-FLEC が公表した金融資産保有額別世帯数(2025年・二人以上世帯)をもとに、金額無回答100世帯を除いた4,900世帯を母数として当サイトが計算しました。

※ 本記事の数値は、J-FLEC 2025年調査(2025年12月18日公表)および総務省 家計調査2024年(2025年5月16日公表)時点のものです。いずれも毎年更新されるため、最新値は上記「出典」の各公式ページでご確認ください。「上位何%か」の早見表は公表分布からの当サイト計算値であり、階級の境界値で丸めています。特定の金額・順位を保証するものではありません。

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