「預金は◯◯万円」——でも、それは家計の一部にすぎません。NISAやiDeCo、証券、保険といった投資資産と、住宅ローンやクレカといった負債まで含めて初めて、家計の“本当の純資産”が分かります。この記事では、投資も負債も漏れなく含めた純資産の出し方を解説します。

純資産は、預金だけでなく投資も、そして負債も含めて計算します。投資が増えていても、見えない負債が膨らんでいれば純資産は伸びません。逆に、ローンを着実に返していれば、預金が増えなくても純資産は育ちます。
| 資産に含める | 負債に含める |
|---|---|
| 現金・普通預金・定期預金 | クレジットカード未払い |
| 証券・投資信託・株式 | 住宅ローン残債 |
| NISA(つみたて・成長投資枠) | 自動車ローン |
| iDeCo・企業型DC | 奨学金・カードローン |
| 保険の解約返戻金 | — |
投資資産は時価(いまの評価額)で資産に入れます。値動きするので毎日追う必要はなく、月に一度、残高を更新すれば十分です。証券会社アプリの「評価額」をそのまま転記すればOKです。iDeCoは年金資産なので当面引き出せませんが、純資産には含めて把握しておくと全体像が正確になります。
2024年からのNISAには生涯の上限があります。金融庁が示している枠は次のとおりです。
| 項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
| 併用時の年間合計 | 360万円 | |
| 非課税保有限度額(生涯) | 1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円が上限) | |
| 非課税保有期間 | 無期限 | |
| 口座開設期間 | 恒久化 | |
| 対象年齢 | 利用する年の1月1日時点で18歳以上 | |
ここで家計簿が効いてきます。生涯の限度額1,800万円は「評価額」ではなく「簿価(取得金額)」で数えます。証券会社のアプリに出ている評価額は含み益を含んだ数字なので、そのままでは「あと何円投資できるか」が分かりません。
つまり枠の管理には、実際にいくら入金したかの累計が必要です。家計簿で「普通預金 → NISA口座」への振替を毎回記帳しておけば、その累計がそのまま簿価になります。売却した場合は、翌年以降に売却した商品の簿価の分だけ枠が復活して再利用できるので、売却額ではなく取得額を控えておく必要があります。
住宅ローンや車のローンは、残りの返済額(残債)を負債に入れます。毎月返済するたびに残債が減り、その分だけ純資産が増えていきます。これが「ローンを返すこと=資産形成」である理由です。
実際に一つ、数字で出してみましょう。共働きで、NISA(つみたて投資枠)とiDeCoを続けている30代の家庭を想定します。
| 資産 | 金額 |
|---|---|
| 現金・普通預金 | 2,000,000円 |
| 証券・投資信託(特定口座) | 1,200,000円 |
| NISA(評価額) | 1,800,000円 |
| iDeCo(評価額) | 900,000円 |
| 保険の解約返戻金 | 300,000円 |
| 資産合計 | 6,200,000円 |
| 負債 | 金額 |
|---|---|
| 住宅ローン残債 | 3,500,000円 |
| クレジットカード未払い | 150,000円 |
| 負債合計 | 3,650,000円 |
本当の純資産=資産 6,200,000 − 負債 3,650,000 = 2,550,000円。預金だけ見れば200万円ですが、投資を足せば増え、ローンを引けば実態が見えてきます。「預金額」と「純資産」はこれだけ違う、というのがポイントです。
評価額(時価)で入れます。含み益・含み損も純資産に反映させたいからです。取得額のままだと、増えた・減ったが見えません。
入れて構いません。当面使えなくても「将来の自分の財産」であることは事実なので、全体像を正しく把握するには含めるのが自然です。気になる場合は科目を分けて「すぐ使える資産」と区別できます。
なお iDeCo 公式サイトの説明では、老齢給付金を受け取れるのは60歳以降で、通算加入者等期間に応じて受給できる年齢が決まります。60歳以上で初めて加入した場合は、通算加入者等期間がなくても加入から5年を経過した日から受給できます。加入できるのは基本的に20歳以上65歳未満の公的年金の被保険者です。生活防衛資金の代わりにはならないので、「すぐ使える資産」とは科目を分けておくことをおすすめします(生活防衛資金は何ヶ月分必要?)。
入金額を記帳していれば分かります。生涯の非課税保有限度額1,800万円は簿価(取得金額)で数えるため、証券会社に表示される評価額とは別物です。普通預金からNISA口座への振替を毎回記帳し、その累計を見れば簿価ベースの使用済み枠になります。売却した場合は、翌年以降に売却した商品の簿価の分だけ枠が復活して再利用できます。
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無料で始める本記事は家計簿で純資産を把握する方法の解説であり、投資の勧誘や助言を目的とするものではありません。制度は改正されることがあるため、最新の内容は上記の公式サイトでご確認ください。
※ 評価額・税制・控除などの詳細は、各金融機関や公式情報をご確認ください。本記事は家計管理上の記録方法の解説です。
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