家族のバランスシート(BS)の作り方 — 世帯の純資産を一枚に

「うちの家計、結局いくらプラスなの?」——その答えは、家族(世帯)のバランスシート(BS)でわかります。BSは、家族が持っている資産と、返すべき負債、その差である純資産を一枚にまとめた表です。この記事では、家族のBSの作り方を、洗い出しから純資産の算出、続けるコツまで順に解説します。

世帯の資産・負債・純資産と内訳を1画面にまとめたダッシュボード全景
家族の口座・証券・ローンを1つのダッシュボードにまとめた例(アプリ実画面)

家族のバランスシートとは

家計簿の多くは「今月いくら使ったか(収支)」を記録します。一方バランスシートは、ある時点で家族全体がいくら持っているかを表す“スナップショット”です。夫婦それぞれの口座・証券・年金、子ども名義の資産まで合算すれば、世帯の本当の財産状況が見えます。

作り方は3ステップ

ステップ1:資産をすべて洗い出す

家族の名義をまたいで、お金になるものを書き出します。

ステップ2:負債を洗い出す

あとで返すお金(負債)を書き出します。クレジットカードの未払い分も忘れずに。

ステップ3:純資産=資産-負債を計算する

資産の合計から負債の合計を引いた額が、家族の純資産です。これが家計の“本当の体力”です。

資産(持っているもの)負債(返すもの)
現金・普通預金・定期預金クレジットカード未払い
証券・投資信託・NISA・iDeCo住宅ローン残債
保険の解約返戻金・車・不動産自動車ローン・奨学金

家族でまとめる3つのメリット

続けるコツ:毎月“純資産”だけは見る

BSは毎日つける必要はありません。月に一度、純資産の合計だけ確認するのがコツです。「先月より純資産が増えたか」を追うだけで、家計が前に進んでいるかが分かります。

→ 推移をグラフにする方法は 純資産推移グラフの作り方 へ。

記入例:ある家族のバランスシート

言葉だけだと分かりにくいので、賃貸住まいの共働き夫婦(子ども1人)を例に、実際に一枚作ってみます。名義は分かれていても、世帯で合算するのがポイントです。

資産金額
夫 普通預金1,200,000円
妻 普通預金800,000円
夫 証券・NISA(評価額)2,500,000円
妻 NISA(評価額)1,000,000円
iDeCo(夫婦合計・評価額)1,500,000円
子 ジュニアNISA(評価額・2023年までの投資分)400,000円
保険の解約返戻金500,000円
資産合計7,900,000円
負債金額
クレジットカード未払い250,000円
自動車ローン残債900,000円
負債合計1,150,000円

世帯の純資産=資産 7,900,000 − 負債 1,150,000 = 6,750,000円。夫の預金だけ見れば120万円ですが、世帯で合算すると675万円。「家族全体でいくらプラスか」は、合算して初めて見えます。

表の「ジュニアNISA」は、2023年までに投資した分を指します。ジュニアNISAは2023年で制度が終了し、2023年末で新規の投資はできなくなりました。2023年までの投資分は非課税期間(5年)終了後に継続管理勘定へ移管され、18歳になるまで非課税で保有できます(継続管理勘定では新規投資はできません)。また2024年以降は、年齢にかかわらず遡及課税なく払い出せるようになっています。子ども名義の資産を新たに作る場合は、別の方法を検討してください。

この数字は、平均とどう違うか

作った表をどう解釈すればいいのか。総務省「家計調査(貯蓄・負債編)」2024年平均の二人以上の世帯と並べてみます。

→ 年代別の平均・中央値は 純資産の平均・中央値 にまとめています。

項目この例(賃貸・共働き)二人以上の世帯の平均
資産(貯蓄)790万円1,984万円
負債115万円663万円(うち住宅・土地612万円)
差し引き675万円約1,321万円

平均の負債663万円のうち612万円、つまり9割以上が住宅・土地のための借入です。この例が賃貸で負債115万円にとどまっているのは、住宅ローンがないからにすぎません。持ち家世帯と賃貸世帯のBSは、そもそも形が違います。

だから平均と比べて一喜一憂する意味は薄く、家計調査の平均世帯人員が2.88人・世帯主の平均年齢が60.4歳であることを考えれば、30〜40代の子育て世帯が下回るのは当然です。同調査では世帯主が50歳未満の各年齢階級で負債現在高が貯蓄現在高を上回るとも報告されています。見るべきは他人との比較ではなく、自分の表を毎月並べたときの向きです。

名義が分かれているときの扱い

よくある質問

Q. 夫婦で口座を見せ合いたくない場合は?

合算せず、各自が自分の分だけ記録しても構いません。世帯全体を把握したいときだけ、後から数字を持ち寄って合算する運用も可能です。まずは片方の分だけでも純資産は見えます。

Q. ジュニアNISAはまだ使えますか?

新規の投資はできません。ジュニアNISAは2023年で制度が終了し、2023年末をもって新規の投資ができなくなりました。2023年までに投資した分は、非課税期間(5年)終了後に継続管理勘定へ移管され、18歳になるまで非課税で保有できます。2024年以降は年齢にかかわらず遡及課税なく払い出せます。バランスシートには評価額で資産として計上して構いません。

Q. 住宅は資産に入れますか?

持ち家なら、査定額や購入額の目安を資産に入れ、住宅ローン残債を負債に入れます。両方を入れることで、家という大きな資産と負債が純資産に正しく反映されます。

Q. 毎月つけ直すのは大変では?

BSは月1回、投資の評価額と各残高を更新するだけです。日々の記帳を続けていれば、預金やカードの残高は自動で最新になります。

kurofukubo は複式簿記の仕組みで、資産・負債の科目を登録して記帳するだけで純資産が自動で計算され、推移グラフまで描かれます。証券・NISA・iDeCo・ローンも科目として登録すれば、家族のバランスシートが自動で一枚にまとまります。

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出典

記入例の金額は解説のために当サイトが作成した架空の家庭のものです。「約1,321万円」は公表された貯蓄現在高の平均から負債現在高の平均を差し引いた参考値で、住宅などの実物資産は含みません。

※ 投資商品は時価で変動します。評価額は月1回など無理のないペースで更新すれば十分です。

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